検査とお薬


「 診断方法」

溶連菌の、のど、舌、発疹は、目で見てもかなり特徴的です。いろいろな検査法がありますが、綿棒でのどの菌をとり検査キットで調べる方法が簡単で、すぐ判定できます。


「治療」

溶連菌そのものは、抗生剤ですぐおさまる場合が多いのですが、少し菌が残っていると前述した急性腎炎、リウマチ熱、アレルギー性紫斑病などを起こすことがありますので、これらの予防のためにしっかりと抗生剤を内服します。薬の種類によって 内服する期間は異なりますが、よく使用されるペニシリン系の薬ですと、10~14日間(一般的には10日間)くらいは必要です。


従来は、殆どペニシリン系の抗生剤で治癒しましたが、最近は、少し効きにくい溶連菌も増えてきていますので、症状に応じて他の種類の抗生剤も使用されるようになってきました。この場合内服期間は、3日間、5日間、1週間などと薬の種類で異なります。

 

出典: 溶連菌感染症

 

 


「治療」

抗生物質を飲めば2~3日うちに熱は下がります。症状としては4~5日うちに消失しますから、かぜ程度です。ところがこの溶連菌症はかぜとはちがうところがあります。

というのは治療しないでおくと、合併症として急性腎炎やリウマチ熱を起こす可能性があることです。急性腎炎は発症すると、入院が必要で2ヶ月、治癒するのに6ヶ月くらいかかります。一部慢性腎炎になるのでそうなるとたいへん厄介なものです。リウマチ熱は現在ほとんどありません。この合併症を予防するためにペニシリンかセファロスポリン系抗生物質を10日間内服します。症状がなくなったからと、3日くらいで中止しますと、再発し、腎炎などにかかりやすくなります。

1週間毎に検尿をして異常がないことを確かめます。

効果のある抗生物質を飲むと24時間以内に感染しなくなります。また症状のない保菌者(菌を持っている人のこと:5~30%ともいわれています。)からは感染しません。


出典: 妹尾小児科




まず、年齢、熱の程度、“のど”の発赤の具合、体や手足の発疹の程度から溶連菌に感染している疑いがあれば、確認のために検査を行います。最近は、“のど”についた細菌の検査の中で、溶連菌については、10分以内に結果が出るので、すぐに溶連菌かどうかわかります。この検査が必要なのは、後でお話するお薬の服用期間と大きく関係してきます。

溶連菌の感染とわかれば、熱やのどの痛みといった症状をやわらげるお薬のほかに、抗生物質が出されます。抗生物質は病気の原因になっている溶連菌を退治する大変重要なお薬です。


「抗生物質は溶連菌を退治するまで飲む」

お薬を飲み始めると、2〜3日で熱が下がり、のどの痛みもやわらいできます。発疹が出た場合、急性期を過ぎて、手足の指先から始まる落屑(皮むけ)が認められるようになります。確実に溶連菌を退治し、重大な続発症(合併症)を引き起こさないために、症状が消えても抗生物質はしばらく飲み続けなくてはいけません。一部の抗生物質以外は10日間飲み続ける必要があると言われています。


出典: シオノギ製薬




「検査」

★溶連菌迅速診断キット

綿棒で、のどの菌を採取し検査します。溶連菌かどうか15分位で診断できます。ただし溶連菌だけしか判定できません。また検査前に抗生物質を飲んでいると正確には診断できません。


★咽頭培養検査

同じく綿棒でのどの菌を採取し検査します。溶連菌だけでなく、他の細菌も診断できますが、数日後に結果がでます。この検査も、検査前に抗生物質を飲んでいると正確には診断できません


「治療」

溶連菌感染の場合は急性腎炎・リウマチ熱などの合併症を防ぐために、10~14日間は抗生物質を飲むことが勧められています。


出典: にのみや小児科・ひふ科




「ケアは?」

治療は菌に有効な抗生物質の服用です。これで熱は1~2日で下がり、発疹も軽快、のどの痛みも1週間以内でおさまります。その後、指先の皮膚が新じゃがいもの皮のようにべロベロとむけてきますが、これもほとんどは3週間程度でおさまります。しかし、これらは幼児から学童期の子どもに典型的な経過です。3才以下の子どもが溶連菌に感染した場合、熱や発疹は出なくて、単なるのどかぜ症状になることも少なくありません。ウイルスによる咽頭炎や扁桃炎とも見分けにくいものです。ただ、ウイルス性のかぜと違って細菌性の病気なので、自然に治ることはありません。2日以上のどがはれて痛むときや高熱や発疹が出たときは、必ず小児科を受診するようにしてください。咽頭から溶連菌が検出されたり、血液検査で溶連菌感染症と判明したら、きちんと治療を受ける必要があります。


細菌による感染なので、治療には抗生物質が有効です。薬を飲めば症状は2~3日でよくなっていきますが、溶連菌感染症の場合、処方された抗生物質の量や回数を守って服用することが大切です。発熱や発疹がおさまっても、それで細菌が完全に体から消えたわけではありません。処方された抗生物質を最後まできちんと指示どおりに飲むことが大切です。症状が消えたからといって、自己判断で薬の飲み方を変えたり、薬をやめたりしないようにしてください。

また、細菌がいなくなっても、急性腎炎や、高熱と関節の痛みといった症状が出るリウマチ熱、アレルギー性紫斑病などの合併症を起こしてくることもあり、そうなると治療が大変長引きます。それを防ぐためにも、医師の許可が出るまで抗生物質を10日~2週間ほど飲み続ける必要があります。治ってから血尿が出ていないかを調べるために、一度検尿をしたほうがいいでしょう。


ホームケアの基本は、水分補給とのどごしのよい離乳食です。脱水症状を防ぐために、こまめに水分を与えます。のどの痛みが強い時期は、離乳食のメニューに工夫が必要。食事はのどに刺激を与えない、消化のいいものを用意してあげましょう。体力を消耗しないようにすれば、おふろに入れてもかまいません。


出典: goo ベビー




「溶連菌感染症の検査」

医師は、患者さんの年齢、熱、喉の具合、体の発疹の程度などから溶連菌に感染しているかを診断していきます。


溶連菌感染症の疑いがあれば、確認のための検査を行います。通常、喉の細菌を採取して検査を行います。検査は検査キットを使用して病院で行うものが主流のようで、検査は約10分程度で結果が出ます。


喉などから菌を採取して、菌を培養する検査もあり、こちらの場合は検査結果が出るまでに数日かかるようです。この場合は、溶連菌以外の菌についても検査結果を得ることができます。


「溶連菌感染症の治療」

溶連菌に感染していることが判明した場合、溶連菌に対して効果のある抗生物質、熱や喉の痛みをやわらげる薬が処方されます。


薬を飲んでいるうちに、熱が下がり喉の痛みも軽くなってきますが、抗生物質は医師の指示どおりきちんと飲みきることが大切です。抗生物質を飲み切ることによって、溶連菌を完全に退治することができ、合併症もなくなります。(※合併症については、後ろの項目を参照してください。)


また、完治したことの判定は、症状が改善してから2〜3週間後の検査で行います。症状が治まったからといって、自身で完治したと判断するのではなく、医師の診断を受けるようにしましょう。


なお、抗生物質を飲み切り一度は完治しても、溶連菌には様々な種類があるため、数回は再発することがあります。


出典: 子どもの健康と病気の情報サイト




「溶連菌感染症(溶連菌による咽頭炎、扁桃炎)の病院での検査」

溶連菌感染症の治療と対策

診察で溶連菌感染が疑われた場合、溶連菌に感染しているかどうかを検査で確認する方法は、主に2種類あります。それぞれの具体的な検査方法と特徴、メリット、



溶連菌による咽頭炎、扁桃炎に対して行う検査がどのように行われるのか、事前に知っておくとよいでしょう。


★溶連菌感染症(溶連菌による咽頭炎、扁桃炎)の検査方法

診察室では、患者さんの年齢、発熱の程度、のどや首の所見、咳の有無など、溶連菌に感染している可能性を見積る項目(Centor Criteria;センター基準)などを確認しながらみていきます。


しかし、溶連菌という細菌感染による咽頭炎・扁桃炎と、そうでない咽頭炎(たとえば、伝染性単核球症(こちらはウイルス感染)など)との特徴が、かなりの部分で似ているため、問診と身体診察では、区別できないことがあります。


そのため、判断材料としての検査が必要になるのです。


現在主流となっているのは、次の2つの方法です。それぞれの具体的な検査方法とメリット、デメリットを紹介します。


・溶連菌迅速診断キット(咽頭A群レンサ球菌迅速抗原検査)

・咽頭細菌培養検査

・溶連菌迅速診断キット(咽頭A群レンサ球菌迅速抗原検査)


綿棒でのどの粘膜をこすって調べます。溶連菌の表面にある抗原と検査キット内に用意されている特異抗体(溶連菌にのみ反応する物質)とを反応させることで検出します。


・すでに抗生物質を飲んでいる場合には、この検査に反応しなくなることがあり、その場合は、判断が難しくなります。


<メリット>

・30分以内に反応が出るため、その場で判断する際の助けになります。

<デメリット>

・この検査は、溶連菌(A群β溶連菌)のみを調べるものになるため、別の病気の有無はわかりません。

咽頭培養検査


綿棒でのどの菌を摂取し、その後、専用の容器内で、生きている細菌を増やしてから顕微鏡で菌を調べる方法です。溶連菌の検査では、この方法がもっとも確実な診断方法ではありますが、下記の理由により、状況に応じて活用することになります。


<メリット>

・どの抗生物質を用いれば、より効果があるかを判断する材料になります。

・溶連菌だけでなく、ほかの細菌感染の有無も判断できます。

・そのため、治療に難航する場合や再発を繰り返す患者さんの場合には、培養検査を行い耐性菌の有無やより効果が期待できる抗生物質を選ぶ際の資料として用います。

<デメリット>

・生きている細菌を増やしてから顕微鏡で調べる方法のため、検査結果が出るのは数日~1週間以降になります。

・こちらも、抗生物質を服用していると、診断はかなり難しくなります。

溶連菌迅速診断キットは、その場で検査結果が分かる点がすぐれていることから、通常の場合、この検査結果を参考に判断をします。しかし、治療に難航する場合などには、培養検査も必要になってきます。


なお、2つの検査を同時に行うことは、保険適用外となります。また、臨床的には治療が困難な患者さん以外で、同時測定が必要になる場面はあまり多くありません。


出典: ヘルスヘア大学



「溶連菌の検査と治療」

溶連菌に感染しているかどうかを検査するためには、A群溶血性連鎖球菌迅速診断キット、咽頭培養検査、血液検査の3種類のいずれかを使います。


ただ、既に溶連菌感染症が悪化して、溶連菌急性糸球体腎炎などになってしまった場合には、別途、尿検査が必要です。


★A群溶血性連鎖球菌迅速診断キット

喉の赤く腫れている部分を綿棒などを使って擦り、数分間培養して溶連菌を調べます。A群溶血性連鎖球菌迅速診断キットはすぐに結果がわかります。


★咽頭培養検査

綿棒で喉の菌を取って検査しますので、溶連菌だけではなく他の細菌も調べることができます。その分、結果が出るまでには数日かかります。

血液検査 血液検査では白血球が増えたり、炎症の数字を示すCRPが上昇しているかなどを調べます。同時に溶連菌以外の病気も発見することが出来ます。

溶連菌は昔は治療が困難な病気と言われていましたが、最近では抗生剤を投与し、楽に治療することができるようになりました。


抗生物質中心の治療法溶連菌の治療にはペニシリン系かセフエム系の抗菌剤が有効で、服用して2日以内に熱が下がります。


薬は1週間~10日ほど続けて服用するのが一般的です。途中でやめてしまうと再発したり、溶連菌急性糸球体腎炎になってしまうこともありますので気をつけましょう。


また、溶連菌はなるべく短い期間で完治させておかないと、病巣感染が作られてしまい、アレルギー反応で同様に溶連菌急性糸球体腎炎やリウマチ熱になってしまうこともあります。


溶連菌に感染したからといって、必ず溶連菌急性糸球体腎炎やリウマチ熱になるの方も少なくなりましたが、溶連菌感染症と診断された場合は医師の指示に従い、薬は最後まで服用しましょう。


ペニシリン系の抗生剤は溶連菌に対して、抜群の強い効果を発揮すると言われているものですが、まれにペニシリンに対してアレルギー反応を示す人もいますので、その場合は違う種類の抗生剤を使用します。


溶連菌にはワクチンがありませんが、家族内で溶連菌の感染者が出てた場合には、抗生物質の予防内服という方法で感染しにくくもできます。二次感染を予防するために家族全員が抗生物質を約4日間服用します。


また、溶連菌に感染して皮膚のかゆみが強いときには、かゆみを抑える抗ヒスタミン剤を内服したり、ヒスタミン軟膏も併用します。


出典: 溶連菌辞典